3つのワイングラスからなるインストラクション作品
これまでに国内外レーベルよりコラボレーション作品を多数発表してきたアーティスト 川口 貴大 ( 在東京 )。
その中でも宇波拓、Utah Kawasaki とのデュオ作品は Erstwhile Records [US] よりリリースされたこともあり、高い評価を得ました。 ソロ作としては、2009 年に Hibari Music [JP] から “n”、2014 年に Senufo Editions [IT] よりリリースされた “Takahiro Kawaguchi” で更 に注目を集めるアーティストとなりました。
また大城真・矢代諭史とのトリオによる “夏の大△ ( なつのだいさんかく )” では、上演・設営される空間全体を取り込むパフォーマンスを行 うことで美術 ( インスタレーション ) と音を奏でる行為の境界を融解するかのような作品を発表してきました。
この度、immeasurable よりリリースすることになった “Three Glasses” は川口によるインストラクション ( 作曲 ) 作品となります。 以下にインストラクションを紹介します。
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天井から吊るされた 3 つの点滴からは、それぞれ異なるスピードで水滴が落とされている。
奏者は水滴を受けるワイングラスを指で擦ることで音を出し、音階は溜まっていく水量により変化してゆく。
1 曲目は、10 分間の演奏と、10 分間の水滴が落ちる様子を 3 人の奏者が眺めている状況が記録されている。
2 曲目は、設定された水滴が落ちきるまでの間、ワイングラスを擦り続けた記録である。
どちらの曲も 300cc の水位の変化を可聴化しており、水滴が落ち始めればあとはひたすらに擦り続けることになる。 -
川口は本作を “作曲作品” と位置付けており、以下のインストラクションを “譜面” としています。
Water drops dropped into the three glasses at different rates.
Glass1 - 210 dripping/1min - 300cc
Glass2 - 340 dripping/1min - 300cc
Glass3 - 140 dripping/1min - 300cc
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本作で使用しているワイングラスの容量は 300cc で 3 つのグラスには点滴容器から上記の設定で水滴が落下します。 3 人の奏者がグラスハープの演奏を続ける中、3 つのグラスへはそれぞれ異なる速度で水滴が落ち続け、最後にピッチが揃うことをコンセプト に “作曲” された作品となります。
“Three Glasses” は地球上に存在する凡ゆるものが影響を受ける “重力” と共に演奏 (= 運動 =Play) することを基調に制作された非常にオリジ ナリティの高い音楽作品となっています。
なお、本作の装丁・デザインはこれまでのリリース作品と同じく edition.nord 秋山 伸によるものとなります。(レーベルインフォメーションより)
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